私の知人の堀社長のお話を紹介します (竹田和平さん本田晃一さんの対談より)
僕はしょっちゅう新幹線を利用するのですが、新幹線から降りて
タクシーに乗る時必ず新幹線側で並びます。今から2、3年前の
ある日タクシー乗ったんです。
乗って目的地を告げると運転手さんが「社長!」って呼ぶので
キャバレーの呼び込みかと思ったのですけど(笑)
「堀社長!」と言うから、よく見たら取引先の1億円をもって
逃げた人でした(笑)。
私も本当に驚いて「あれからどうしたの?」と聞いたら、
奥さんは亡くなって、子供さんにも逃げられちゃって、
持っていったお金は全部無くなってしまったと。
倒産してからタクシーの免許取って、アパートで一人暮らし
をしていると言っていました。その方はタクシーに並んでい
る僕を見て逃げようと思ったって(笑)。「ごめんなさい」と
謝るのですよ。
僕は「もしあなたが持っていったお金が一千万だったら、
会社を倒産させていた。あなたが居てくれたから、経営者
の端くれになれた今があって、感謝しています」と伝えた
んですね、そうしたら車止めちゃって泣くんですよ。
泣かないで今日はちゃんと車を走らせてねってその時は
言ったのですけど。
その持ち逃げによって、本当に数字の恐さがわかりま
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した。1億円の授業料で彼は教えてくれました。最終的
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には、私の方は桁が違う資産になったわけです。
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どんな学校の先生もあんな教え方をしてくれません(笑)。
目的地に着いて、これでご飯でも食べて下さいと、一万円を
渡すと嫌味になるかなと思ったから、持っていた千円札を
全部渡してね。
1億円持ち逃げされるというチャンスを与えてもらって、
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私は本当にありがたいなと思いました。
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もしそれが10億円だったらどうしようもなかった。1000万
だったら、軽く見てしまう。
1億円はちょうどいい具合でした(笑)。
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出典元 月刊『貯徳時代』⇒ http://da-na.jp より 抜粋